クッキーが制限されることにより起こりえる広告業界の事象とは？ITP（Intelligent Tracking Prevention）を含めた業界の流れを理解しよう！

ITPについて

皆さんは、ITPという言葉をお聞きなったことがあるであろうか。ITPとは、Safariブラウザを提供しているApple社が発表したIntelligent Tracking Preventionの略称であり、Safariブラウザにおいてクッキーの利用を制限するという機能のことである。ウェブ広告においてリマーケティング広告を実装するときやコンバージョン計測の際には通常、クッキーを利用していることから、このITPが発表された際に広告業界は打撃を受けたのである。ご存知の方も多いと思うが、まず復習として1st Party Cookieと3rd Party Cookieについて下記にまとめよう。

1st Party Cookieについて

1st Party Cookie(ファーストパーティークッキー)とは、ユーザーが訪れているそのサイトが発行したクッキーのことである。例えば、ユーザーがhttps://test.comへアクセスしている場合、test.comが発行したクッキーは1st Party Cookieとなる。

3rd Party Cookieについて

3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)とは、ユーザーが訪れているそのサイト以外が発行したクッキーのことである。例えば、ユーザーがhttps://a.comへアクセスしている場合、a.comから発行されたクッキー以外はすべて3 rd Party Cookieとなる。つまり、先ほど1st Party Cookieの項目で1st Party Cookieの例として、test.comから発行されたクッキーを挙げたが、ユーザーがa.comへアクセスしている場合は、test.comから発行されたクッキーは3rd Party Cookieとなるのである。

クッキー利用制限と広告業界の対応

当初、ITPにおけるクッキー制限対象は3rd Party Cookieのみの利用制限が対象であった。そこで、広告媒体社の対応としては、1st Party Cookieでユーザーを追跡できるようにしたり、コンバージョンを計測したりできるようにするための対応を行ってきた。一方でこの流れを受けたからかどうかはわからないが、Apple社はより強化したITPを発表し、1st Party Cookieの利用も制限し始めたのである。つまり、1st Party Cookieを利用していたとしても完全にはユーザーデータを追えなくなってしまっており、コンバージョンが少なく見えてしまっていたり、リマーケティング広告でユーザーを追跡できなくなってしまっているのである。また、Safariだけでなく、FirefoxやGoogle Chromeなどの各ブラウザもクッキーの利用を制限する方向で動いている状況である。1st Party Cookieの利用が制限されたとしても、まだ抜け道は存在しているため、各広告媒体社はコンバージョンの欠損をなくしたりリマーケティング広告を活用できるようにするために何かしらの対応が迫られている状況であり、今後対応方法が発表されていくことになるであろう。

まとめ

これら一連の流れの根底には、GDPR(General Data Protection Regulation)があるのは間違いないと考えられ、全世界的に個人情報保護の方針があることから、今後いたちごっこが続くとしても最終的には、個人個人の情報は追えなくなってくる方向で着地していくであろう。今後、適切なユーザーに適切な広告を提供できる媒体が重宝されると考えられ、その代表格がリスティング広告である。このような流れを受けて今後どのようにウェブ広告を活用していけばよいのかわからない、費用対効果を改善していきたいとお悩みの読者の方は下記よりリンクルまでお問合せ頂きたい。