【2021年6月更新】主要なSNS広告の種類や特徴とは？

SNS広告とは？

SNS広告とは、Facebook・Instagram・Twitter・LINEといった大多数のユーザーが使用しているSNSプラットフォームに対して配信が可能な広告のことである。

従来は「ググる」という言葉のようにユーザーのWEBでの行動は検索行動が中心であったため、GoogleやYahoo!を始めとしたリスティング広告（検索連動型広告）が主要なWEB広告手段として取られることが多かった。しかし、直近は若年層を中心に検索行動ではなく、SNSや動画配信サービスに1日のスマホ利用時間を当てるユーザーが増えており、より一層SNS広告や動画広告など様々なプラットフォームからのユーザー接触が重要となってきているのである。

本コラムにおいてはFacebook広告、Instagram広告、Twitter広告、LINE広告など主要SNSプラットフォームの広告を中心に基本情報から活用方法までご紹介させていただく。皆さまの商材やサービスでのSNS広告選定の一材料となれば幸いである。

1. SNS広告の主要メディア・媒体一覧

日本での主要SNS広告は下記４つになる。

Facebook広告（UU数：2,600万人）^※1

Instagram広告（UU数：3,300万人）^※1

Twitter広告（UU数：4,500万人）^※2

LINE広告（UU数：8,8600万人）^※3

各SNSにおいて日本のユーザー数は非常に多く、これらのSNSを１つ以上使用しているユーザーがほとんどを占めるだろう。次項以降ではこれら4大SNS広告の特徴について解説させていただく。

参照:

※1 2020年上期〈1-6月〉媒体資料「Facebook-Media-Guide_2020_H1_Final」より

※2 2018年10月のデータ　媒体資料「Twitter広告媒体資料2019年4-6月期」より

※3 2021年 4月のデータ　媒体資料「LINE Business Guide 2021年7月-12月期」より

2. Facebook広告

Facebook広告とは？

Facebook広告はFacebook内で表示される広告である。Facebookは、全世界で月間25億アクティブユーザー、日本で月間2,600万アクティブユーザー※1を誇る国内外共に主要なSNSプラットフォームである。

Facebookは、他SNSに比べて実名登録でのアカウントが多い特徴を持つ。そのためFacebook広告においてユーザー属性（性別や年齢）はもちろん、Facebookでの行動に基づく趣味や関心の精度が高く、それらを活かしたターゲティングによる広告配信が可能という特徴がある。また、Facebook広告は他のSNS広告に比べて企業向け（BtoB）の商材やサービスの相性が良いという傾向もあるため、企業向け、個人向けを問わず幅広い業界・商材で活用可能な媒体である。

Facebook広告の特徴（ユーザー属性・配信面・ターゲティング）

ユーザー属性（年齢・性別・デバイス）

Facebookのユーザー属性は、25歳～54歳の年齢層が約8割を占めており、男女比率は約半分となっている。また、使用デバイスを見ると、モバイルのみのユーザーが約8割を占めており、残り2割はPC・モバイルの両方を使用するユーザーが多くなっている。

配信面

Facebookにアクセスしてすぐに見られるフィード面（友人などの投稿が表示される部分）への配信が中心となっているが、検索結果画面やストーリーズなどにも配信される。配信枠は種類ごとに配信有無の設定が可能である。

ターゲティング

年齢・性別：13歳～65歳以上；一歳刻みで設定可能、男女設定可

エリア：都道府県・市区町村単位などで設定可能。特定地点からの半径指定も可

オーディエンス設定

1. 詳細ターゲット設定

学歴・ライフイベント・業界など様々なカテゴリから選択可能。興味関心も幅広くあるため、商材・サービスに関連するワードを検索して関連する興味関心カテゴリを選択していくことでマッチ度の高い設定が可能である。

2. 類似ターゲティング

CVしたユーザーやサイトを訪問したユーザーなどのユーザー属性に近い新規ユーザーに向けて配信を行う設定

3. エンゲージメントユーザー

動画を見たユーザーやページにいいねしたユーザーなど、広告やFacebookページに対して特定のアクションを起こしたユーザーをターゲティング可能。また、それらのユーザーに類似するユーザーへの配信も可能である。

参照：2020年上期〈1-6月〉媒体資料「Facebook-Media-Guide_2020_H1_Final」より

3. Instagram広告

Instagram広告とは？

Instagram広告はInstagram内で表示される広告である。Instagramは、全世界で月間10億アクティブアカウント、日本で月間3,300万アクティブアカウントと世界的にはFacebookの約半分のシェアであるものの、日本においてはFacebookよりもアクティブ数が多いSNSプラットフォームである。

InstagramはFacebookと同様に実名登録でのアカウントが多い特徴を持ち、Facebook広告に比べて一日を通して閲覧される機会が多いという特徴も持つ。アパレルや化粧品などInstagramでの投稿を見て行動を移す割合も高く、ブランディングやECサイトの販促に活用されるケースも多い媒体である。また、広告配信という面においてはFacebook広告と同じ管理画面上で管理可能であるため、Facebook広告とInstagram広告の両方に広告を配信するといったケースも多い。

参照：Facebook広告：Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破

Instagram広告の特徴（ユーザー属性・配信面・ターゲティング）

ユーザー属性（年齢・性別・デバイス）

Instagramのユーザー属性は、女性が約6割とやや多く、Facebookよりも若い世代でのユーザー割合が高い特徴を持つ。Instagramは元々スマートフォン向けに開発されたアプリであるため、広告配信先としてはモバイルのみとなっている。

配信面

最も配信量が多いのはFacebookと同様にフィード面（友人などの投稿が表示される部分）であるが、ストーリーズへの配信割合も多い（30%程度）のが特徴である。

ターゲティング

Instagram広告のターゲティングはFacebook広告のターゲティングと同様であるため、ここでは割愛させていただく。

参照：2020年上期〈1-6月〉媒体資料「Facebook-Media-Guide_2020_H1_Final」より

4. Twitter広告

Twitter広告とは？

Twitter広告はTwitter内で表示される広告である。Twitterは、全世界で月間3.2億アクティブユーザー、日本で月間4,500万アクティブユーザー※2を持つ、日本で第２位のユーザー数を誇るＳＮＳプラットフォームである。

FacebookやInstagramと比較して情報の拡散性が高く、即時性のある情報を得ることができるという特徴を持つ媒体である。そのためTwitter広告においては単純に広告での接触やサイト誘導だけではなく、いいねやシェアによる２次拡散の効果も期待できるというメリットを持つ。

Twitter広告の特徴（ユーザー属性・配信面・ターゲティング）

ユーザー属性（年齢・性別・デバイス）

Twitterのユーザー属性は、若年層の割合が多いものの、平均年齢は35歳と30代以上の利用者も多いという特徴を持つ。Facebookなどと比較して匿名性が高いため、リアルな交友関係だけではなく、特定の趣味、関心でつながるユーザーも多い。

配信面

Twitterのタイムライン上に表示されるプロモツイートや、おすすめユーザーなどに表示されるプロモアカウント、純抗告広告枠（プロモトレンド、ファーストビュー）などがある。

ターゲティング

年齢・性別：13歳～50歳以上；5~10歳刻みで設定可能、男女設定可

エリア：都道府県単位で設定可能

オーディエンス設定

1.フォロワーターゲティング

Twitterに特徴的なターゲット手法。指定したアカウント（@ハンドル）のフォロワーに共通する興味関心を持つユーザー（フォロワーを含む）に配信する設定

2.類似ターゲティング

CVしたユーザーやサイトを訪問したユーザーなどのユーザー属性に近い新規ユーザーに向けて配信を行う設定

3.興味関心・キーワードターゲティング

商材やサービスに関連する興味関心カテゴリ（約300カテゴリ存在）の設定や、Twitter上で検索、ツイートしたワードの設定も可能である。

4.テレビターゲティング

特定のテレビ番組に関連するツイートをしたユーザーやそのツイートを見ているユーザーに対して配信が可能。TVでの放送やＴＶＣＭとの連動施策として効果的。

参照：2018年10月のデータ　媒体資料「Twitter広告媒体資料2019年4-6月期」より

5. LINE広告

LINE広告とは？

LINE広告はLINE内で表示される広告である。LINEは、日本で月間8,600万アクティブユーザー※3を持つ、日本で第1位のユーザー数をもつＳＮＳプラットフォームである。

日本の人口の68%が使用することもあり、他ＳＮＳと比較して最も多くのユーザーにアプローチ可能であり、LINE公式アカウントやスタンプなどを活用してユーザーと双方向のコミュニケーションを取りながらビジネス活用しているクライアントも多い。LINE広告としてはLINE NewsなどのLINEサービスの各配信面やトークリストの最上部に広告枠を持つため、獲得目的だけではなく、認知やブランディング目的としても有効である。

LINE広告の特徴（ユーザー属性・配信面・ターゲティング）

ユーザー属性（年齢・性別・デバイス）

LINEのユーザー属性は、男女約半々の割合となっており、10代～50代の利用率が80%と非常に高い特徴を持つ（60代も52%利用）。家族や友人、知り合いなどリアルな関係のコミュニケーションツールや情報取集のツールとして主に活用されている。Facebookと同様、性別や年齢、地域などの精度は高い。

配信面

LINE Newsやタイムライン、LINEマンガ、LINEポイントなどLINEサービスの各配信面に配信可能である。

ターゲティング

年齢・性別：14歳以下、15歳～64歳で5歳刻み、～65歳以上；5歳刻みで設定可能、男女設定可

エリア：都道府県・市区町村単位で設定可能。特定地点からの半径指定も可(半径3km以上)

オーディエンス設定

1.オーディエンスターゲティング

LINE公式アカウントの友だちや、初回購入したユーザー（端末識別IDで照合）、自社保有データなどを活用してそれらのユーザーへの配信や類似したユーザーへの配信を行うことが可能である。

2.類似ターゲティング

CVしたユーザーやサイトを訪問したユーザーなどのユーザー属性に近い新規ユーザーに向けて配信を行う設定

3.興味関心ターゲティング

商材やサービスに関連する興味関心カテゴリ（約20カテゴリ存在）の設定や、ウェブサイトの行動特性、属性（配偶者有無・子供有無など）なども設定可能である。

参照：2021年 4月のデータ　媒体資料「LINE Business Guide 2021年7月-12月期」より

6.その他媒体

TikTok広告（TikTok Ads）（UU数：950万人）

Tiktok広告はTiktokなどのモバイルアプリ内で表示される広告である。TikTokは、全世界で月間6.89億アクティブユーザー、日本で月間950万アクティブユーザーを持つ動画プラットフォームである。ネイティブ投稿（通常投稿）が全て動画であるため、クリエイティブも動画を活用すると効果的な媒体となっている。BuzzVudeoなどのアプリにも合わせて配信が可能である。

参照：

TikTokが広告配信プラットフォームをリニューアル！日本法人副社長に聞く、広告主企業の活用価値

LinkedIn広告（UU数：200万人）

LinkedIn広告はLinkedIn内で表示される広告である。LinkedInは、全世界で月間3.1億アクティブユーザーと多いものの、日本では約200万ユーザーとFacebookユーザー（日本：2,600万人）の10分の１となっている。しかし、ビジネス利用や就職活動・情報収集などのビジネス目的の利用が多いため、BtoB商材やサービスなども相性が良い媒体である。また、海外への配信はターゲットユーザー数も十分であるため有効な媒体として活用可能である。

参照：Linkedin by the Numbers: Stats, Demographics & Fun Facts

Pinterest広告（UU数：870万人）　※日本は対象外

Pinterest広告はPinterest内で表示される広告である。Pinterestは、日本でも870万ユーザーと比較的ユーザー数が多いプラットフォームではあるが、残念ながら日本での広告配信は現在サポートされていない（アメリカやヨーロッパなど一部の国々では広告配信が可能となっている）。画像を中心としたUIになっているため、Instagramのような形でアパレルやコスメなどの商材・サービスとの相性が良いと考えられる。

参照：広告の概要 | ビジネス向け Pinterest ヘルプ　　　

7.主要４大SNS広告のまとめ

　① 特徴

これまでSNSプラットフォーム別にご紹介したが、各SNSの特徴を上表に下記に整理させていただく。年齢・性別・エリアはほぼ共通であるため、配信面（プラットフォームや各配信場所）やターゲティング（設定できる項目や精度）の特性を掴みつつ、自社の商材やサービスに適した媒体を選択するのがコツである。クリエイティブで必要なバナーサイズはほぼ共通ではあるが、各ＳＮＳで見え方や文言の組み合わせ方などを工夫することでより成果の出やすいクリエイティブにすることができる。

②相性の良い商材・サービス

次に各SNS広告での相性の良い商材・サービスについてご紹介させていただく。今回は他SNS広告と比べて相性が良い商材・サービスに絞って記載する。

Facebook広告：

他SNS広告と比べてBtoB（企業向け）の広告出稿が多いのが特徴である。セミナー集客や資料請求などリード獲得目的での配信も多い。

Instagram広告：

ショッピング機能なども充実しているため、ECサイトやアパレル、食品系などと相性が良い。また、Facebook広告と併用されることも多いという特徴を持つ

Twitter広告：

エンタメ系・季節性、キャンペーン性のある商材はユーザーとの相性が良く、2次拡散も期待できる。

LINE広告：

化粧品やアパレルなど有形商材との相性が良い傾向にある。

8. 最後に

本コラムでは、SNS広告の種類や特徴について、主要媒体（Facebook広告、Instagram広告、Twitter広告、LINE広告）を中心に解説させていただいた。SNS広告の内容や特徴を理解した上で、自社の商材やサービスに合った広告選定の一助となれば幸いである。リンクルでは幅広い業界・業種での専門チーム制を引くことで、各業界の商材・サービスに最適なSNS広告のノウハウ・実績を蓄積してきている。現状の成果に満足いかない方や更なる配信・成果拡大を行っていきたいとお考えの方はぜひ下記よりお気軽にお問い合わせいただきたい。